【新商品開発】新商品のアイデア発想と考える手順について解説

目次

新商品開発はアイデアの源泉がないと始まらない。

新商品・新製品・新サービス開発の重要なステップは「アイデアの源泉」を見つけることです。
多くの場合、アイデアは日常の生活や業務の中で感じる「ペインポイント」から生まれます。

ペインポイントとは、日々の中で感じる不便さや困りごと、つまり「これがもっと良くなればいいのに」と思う点のことです。ペインポイントはアイデアの湧き出るポイントであり、新たなビジネスチャンスの出発点となり得るものです。

例えば、

  1. 栄養は気になるけどジャンクフードもやめられない、両立できたらいいのに。
  2. お箸のペアが見つけづらい、もっと直感的に見つけられればいいのに。
  3. 男性でも使いやすい日傘がもっと増えればいいのに。
  4. 検索エンジンで記事を見つけるのが手間、横断して要約してくれたらいいのに。

このような思いつきや普段から感じていることが新商品開発には重要です。

それでは早速、新商品開発に必要なアイデア発想について解説致します。

▼この記事の執筆者

小林 延光
取締役COO・アウトレ統括責任者
アウトレのブランディング・プロダクト開発・広報マーケティング・セールス・カスタマーサクセスの全責任者。
複数の事業会社において、事業統括、事業開発、経営企画、経営管理を経験。グロービス経営大学院(MBA)修了。

アイデアに繋がるペインポイントの具体例

まずは、ペインポイントがどのように新商品・新製品・新サービスのアイデアに繋がるのか、具体的な例をいくつか挙げてみましょう。

例1:ペットの遊び場不足

最近、ペットとして犬を迎え入れたが、近くに遊び場がない。
愛犬を自由に遊ばせたいが、安全で快適な場所がないという不満がある。

このようなペインポイントは、ペット専用の遊び場や施設を開発するアイデアに繋がる可能性があります。ペット愛好家が増えている現代において、このような施設への需要は高まる可能性があります。

例2:清掃業務の手間不足

日々の清掃業務で、手書きのチェックシートを記入するのが手間だと感じている。この作業は時間がかかるだけでなく、字が汚くて読みにくいという問題もある。

このペインポイントを解決するために、デジタル化されたチェックシートを提供するソリューションが考えられます。これにより、業務効率を大幅に向上させることができます。

例3:社内での過去の挑戦の再考

以前、会社で防水板を開発したが、社内だけで進めてしまったため失敗に終わった。しかし、この技術にはまだ可能性があると感じており、今度は外部の専門家の助けを借りて再挑戦したいと考えている。

このようなペインポイントは、過去の経験を活かしつつ、新たな視点やリソースを取り入れることで成功に繋がる新商品・新製品・新サービスのアイデアとなります。

手順①:アイデアに繋がるペインポイントの重要性と見つけ方

ペインポイントは、ただの「不満」や「不便さ」ではありません。言い換えると、「新しい価値の創出」「顧客のニーズを満たすための出発点」です。これまで成功した企業や製品は、ペインポイントを発見し、それを解決することで市場に受け入れられました。

ペインポイントを見つけるために最も重要なことは、

普段の生活や業務において、自分や周りの人々が何に困っているのかを常に観察する姿勢

です。また、直接的に関わっていない分野でも、ニュースやトレンドを通じて潜在的なペインポイントを見つけることができます。このような洞察力が、新商品開発のアイデア創出において非常に重要な役割を果たします。

手順②:アイデアの種として育てる

ペインポイントを見つけたら、それを「アイデアの種」として育てていくことが重要です。このプロセスは、単にアイデアを思いつくことではなく、それを具体的な形にし、実際にビジネスとして展開できるようにすることを目指します。

以下に、アイデアの種を育てるためのプロセスを詳しく解説します。

ステップ1:気づきを記録する

アイデアの種を育てるための第一歩は、日常生活や業務の中で感じた気づきを記録することです。
どんな些細なことでもメモを取る習慣が重要になります。

例えば、

  1. 「この作業はもっと効率化できるのではないか?」
  2. 「こういうサービスがあれば便利だ」

といった感覚的な気づきも重要です。

日常の中で感じる不便さや課題は、すぐには解決策が思い浮かばないかもしれません。しかし、これらを無視せずにメモしておくことで、後で振り返ったときに新たなアイデアが生まれる可能性が高まります。

この記録の積み重ねが、やがて大きなアイデアの種となり、具体的な事業計画へと成長します。

ステップ2:アイデアを発展させる

メモした気づきを基に、どのようにしてその問題を解決できるかを考え、発想してみます。この段階では、解決策を具体的に考える前に、まずは自由に発想を広げることが重要です。制約を設けずに、どのようなサービスや製品であればその不便さを解消できるか、様々な角度から検討してみましょう。

例えば、前述の「清掃業務の手間」を例に発想してみます。
この問題を解決するために、単にデジタル化するだけでなく、

  • AIを活用して自動的にチェック項目を記録するシステム
  • 音声入力で簡単にデータを登録できる機能を追加する
  • そもそも清掃を自動化できるロボットや機能を導入する

なども発想できます。

このように、最初の気づきから派生して、より高度で具体的な解決策へとアイデアを発展させていきます。

ステップ3:アイデアを具体化する

アイデアがある程度まとまったら、それを具体的なビジネスプランとして形にする段階に進みます。ここでは、ターゲット顧客、収益モデル、販売チャネルなどを詳細に検討し、実行可能なプランに仕上げます。

この段階では、市場調査や競合分析も重要です。アイデアがどのように市場で受け入れられるのか、競合製品やサービスとの差別化ポイントは何かを明確にする必要があります。また、必要なリソースや技術的な要件を洗い出し、実現可能性を評価することも重要です。

市場調査や競合分析については、詳細に解説した記事がありますのでご確認ください。

ステップ4:アイデアのプロトタイピング化と検証

ビジネスプランがまとまったら、次にプロトタイプを作成し、実際に市場でテストします。プロトタイプとは、製品やサービスの試作品であり、アイデアを具体的に形にしたものです。これを使って顧客からのフィードバックを得ることで、アイデアの妥当性や改善点を確認します。

プロトタイピングの段階では、アイデアが現実的に機能するかどうかを検証するために、限られたリソースでできるだけ早く実行することが求められます。ここでのフィードバックは、アイデアをさらに洗練させ、実際に市場に投入する前に必要な調整を行うための重要なデータとなります。

プロトタイピングや調査については、詳細に解説した記事がありますのでご確認ください。

ステップ5:アイデアの本格展開

プロトタイピングと検証を経て、アイデアが市場で受け入れられる見込みが立ったら、いよいよ本格的に事業を展開します。この段階では、マーケティング戦略を練り、製品やサービスを市場に投入します。また、初期の市場投入後も、顧客の反応を継続的にモニタリングし、必要に応じてサービスを改善していくことが求められます。

本格展開の段階では、資金調達やパートナーシップの構築も重要な要素となります。特に、初期投資が大きい場合や、技術的なサポートが必要な場合には、外部からの支援を受けることでリスクを分散し、事業を成功に導くことができます。

アイデアの種を育てる際のポイント

アイデアの種を育てるプロセスは、単なる発想や思いつきにとどまらず、継続的に改善を重ねることが重要です。
以下に、アイデアの種を育てる際に意識すべきポイントをまとめました。

1. アイデアは常に記録を取る

アイデアの種は、いつどこで思いつくか分かりません。思いついたときにすぐに記録することで、アイデアが忘れられてしまうことを防ぎます。また、後でアイデアを振り返る際にも役立つため、できるだけ詳細にメモを残すことが推奨されます。

2. アイデアを多角的に考えて発想する

アイデアを発展させる際には、制約を設けずに多角的に考えることが重要です。異なる視点から検討することで、新しい発見やより良い解決策が見つかることがあります。また、異業種のアイデアや技術を参考にして発想することも効果的です。

3. 市場の声を大切にする

プロトタイピングの段階では、実際の市場での反応を重視することが重要です。顧客の声を直接聞き、それを反映させることで、アイデアが実際に受け入れられるかどうかを確認することができます。市場の声に耳を傾け、柔軟に対応する姿勢が求められます。

まとめ

新商品・新製品・新サービスのアイデアを生み出すためには、まず生活や業務の中で感じるペインポイントに注目することが重要です。ペインポイントを見つけたら、それを「アイデアの種」として育て、具体的なビジネスプランへと発展させるプロセスを踏んでいきます。

アイデアの種を育てるプロセスは、単なる発想ではなく、継続的な記録、発展、検証、そして実行のステップを経ることで実現します。このプロセスをしっかりと踏むことで、実際にビジネスとして成功する可能性を高めることができます。

ペインポイントの発見から始まるアイデア創出は、日常の中に多くのチャンスが潜んでいることを示しています。

常に新しい視点で物事を捉え、顧客のニーズに応えることで、独自の価値提供、事業拡大を実現できます。

アウトレについて

新規事業開発を通じて、企業の「挑戦力」「やり抜く力」「創造力」を成長させるプログラムです。
企業の体質に変化を起こし、新しい時代を生き抜く自立自走型企業に生まれ変わることを最大限支援します。

◆こんな方におススメ!

顧客チャネルを増やしたい!

・新規事業を通じて会社を成長させたい!

・新規事業をリスクを最小限に小さく始めたい!
・新規事業を内製化できるようにしたい!

◆導入によるメリット

1.自らアクションすることが主体なので、参加メンバーが大きく成長することにより、会社に良い影響を与える。
2.コスト負担が少なく、自社のペースやリソースの中で新規事業を進めることができる。
3.主体的に新規事業を作るので、その経験がノウハウとして社内資産になり、単発でなく連続的に事業を作ることができるようになる。

◆導入企業様(一部)

・KTX株式会社
・昭和鋼機株式会社・粋彩
・豊田合成株式会社
・豊田通商システムズ株式会社
・日本高圧電気株式会社
・株式会社有隣堂
※一部掲載。五十音順に掲載しております。

◆アウトレ統括責任者から一言

〈ピノベーション株式会社 COO 小林延光〉

「人を、企業を、成長させる。新規事業開発はアウトレ」
VUCAの時代、人も企業も変化を求められています。変化を起こすのはいつも小さな一歩から。アウトレを利用してその最初の一歩を踏み出す企業様が増えたら幸いです。「魚を誰かに獲ってもらう」ではなく「魚の釣り方を知り、実行し、自ら獲ることができるようになる。」これが、プロダクトの根幹思想です。
成長には、必ず挑戦とやり抜くことが必要です。ただ、これは「言うは易し、行うは難し」です。アウトレは、皆様の挑戦を傍で支えて、やり抜くことを最大限支援する存在でありたいです。この挑戦をやり抜いた暁には、事業を創り出す力が企業に備わります。一度身につけたものは自分達で繰り返し行うことができます。創り出すことを新たな企業カルチャーに据えれば、数年後には「創造力」を軸にした新たな姿がそこにあります。アウトレは、その大事な一歩を踏み出すためのプログラムとして設計しています。
導入価格の低さ・UXUIの明確さ・アフターフォローの手厚さを特徴に、初めて新規事業開発に取り組まれる企業様にぜひご導入いただきたいプログラムです。

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